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健康食品開発のための酵素による劣化《原理と対策》

2015/11/30

健康食品開発のための酵素による劣化《原理と対策》

健康食品は、加工度の高い原料を扱う事が多いので 酵素を熱処理などで不活性にしていることが多いです。
そのため、問題となることは多くありませんでした。
しかし、ここ最近 酵素ゼリーや酵素入りスムージーなど 酵素を売りにした製品が増えました。
そういった環境を踏まえると、酵素について知識を持つことが大切です。

酵素とは?

 酵素
酵素とは生体で起こる化学反応に対して触媒として機能する分子を指し、タンパク質からなります。

タンパク質を分解する、プロテアーゼ。
炭水化物を分解する、アミラーゼ

などの酵素は有名ですね。
酵素反応の代表例は、野菜です。
野菜を未加熱の状態で、加工食品に添加すると保存中に酸化反応し異臭を発生します。
そのため、加工食品に利用される野菜粉末はブランチング処理を行います。

食品と酵素の反応には、主に2種類あります。
それは、「加水分解酵素」と「酸化酵素」です。

加水分解酵素

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加水分解酵素とは、タンパク質を分解する「プロテアーゼ」、炭水化物を分解する「アミラーゼ」などによる反応を指します。
でんぷんの含まれる、加工食品に「アミラーゼ」などが含まれている場合 でんぷんが分解されてしまい 食感が変わることがあります。

余談ですが最近流行りの酵素は、こちら側の「加水分解酵素」を指します。
(いわゆる、消化酵素・代謝酵素など)

粒子が移動できない形態(顆粒・錠剤など)では加水分解酵素の働きがほとんど見られませんが、粒子の移動が自由な液もの(ドリンク・ゼリーなど)では酵素を配合すると 加水分解が問題になり 安定性が悪い方向に向かいやすいです。

酸化酵素

りんご
褐変反応の多くは、フェノール類の酸化重合反応です。
りんごを切ると、断面が黒くなります。
それは、りんごに含まれるポリフェノールと空気が酸化反応を起こしているからです。
酸化のデメリットは、外観の変化以外にもビタミン・アミノ酸の分解も伴うため、栄養の低下も招きます。

ポリフェノール類の多くは、脂肪減少効果が認められていることが多くサプリメントに使用することが多いです。
ポリフェノールを含む原料を扱う場合は、安定性に注意しましょう。

食品中の酵素反応の対策

酵素反応は、温度・pHに依存するため、pH(4以下)調整、低温にすることが望ましいです。
その他に、原料加工工程における酸素の除去、アスコルビン酸などの酸化防止剤で反応を遅らせることが挙げられます。

参考
食品工業技術概説

食品開発の進め方

-物性の変化, 賞味期限設定
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