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微生物と水分活性:結合水と自由水

2015/12/06

微生物と水分活性:結合水と自由水

水分活性は微生物の増殖に影響を与えるため、水分活性を抑えることが大切です。
また、微生物の繁殖以外にも水分を抑えることで、様々な反応を抑えることができるので安定性の向上にもつながります。

水分活性を理解するためには、結合水と自由水について理解することが必要です。

結合水と自由水と水分活性

食品中の水分は、「結合水」と「自由水」に分けられます。

▶︎結合水
食品を構成する物質(糖質・タンパク質 等)と結合しており 自由に動き回ることができません。
そのため、微生物は結合水を利用することができません。

▶︎自由水
結合水以外の、束縛されていない水です。
微生物が利用できる水分です。
微生物の増殖を考える際は、自由水の量を基準に考えます。

▶︎水分活性
水分活性とは、全ての水分の中で自由水がどれくらい存在するかの目安です。
算出方法は以下の式になります。

水分活性_自由水
水分活性は低ければ低いほどよい。
しかし、水分活性を下げると 食品の品質(味・テクスチャー等)が変化するため難しいところです。
水分活性を下げるために、砂糖を糖アルコールなどに置き換えることが考えられます。
目安として、各種微生物が生息する最低水分活性を見てみよう。

微生物 最低水分活性
細菌 0.91
酵母 0.88
カビ 0.8

自由水と結合水のイメージ図

▶︎食品と水分の結合のイメージ図
食品に含まれる、たんぱく質(アミノ基(NH2)やカルボニル基(-COOH))や糖質(-OH基)と水素結合することで、食品の表面に留まります。
これを結合水と呼びます。
結合水_自由水_食品表面

▶︎結合水と自由水のイメージ
次に、食品表面よりも外側に目を向けましょう。
食品との表面にいるのは、結合水です。
水素結合は非常に強力なので、非常に安定した状態と言えます。

その上には、準結合水と呼ばれる層があります。
自由水と比較すると、自由度が低く蒸発しにくい性質を持っています。

そのさらに上の層は、食品表面の影響を受けない層になっています。
これを自由水と呼びます。
結合水_自由水_水分子

まとめ

水分が多いドリンクなどは、無菌充填を採用することで 菌類は入らないようにしています。
菌が入ること前提の商品では、水分活性を減らすことが大切です。

今回は、菌の増殖には 自由水分が必要であること。
自由水分を減らすことが、菌の増殖を抑制することを理解してもらえればと思います。

参考
食品開発の進め方

-微生物, 賞味期限設定
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