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サプリメントの商品開発〜製剤から賞味期限まで

機能性成分放出制御技術の基本原理

似たようなサプリメントが市場に溢れ、機能性成分の含有量で勝負という時代から商品のコンセプトや製剤技術で勝負するサプリメントが増えてきました。
製剤技術では、錠剤・カプセル剤のような剤型で放出抑制技術を取り込んだ商品が数多く発売されています。

機能性成分の放出抑制技術の原理について見てみましょう。
医薬系ではたくさんの技術がありますが、サプリメントで使えそうな安価に利用できる技術に絞りました。

放出速度の制御

①コーティング型(膜透過制御)

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コーティング型は、水不溶性の放出制御膜を訴状の表面にコーティングを施したものです。
メリットとしては、消化管内の中でも安定的に成分を放出が期待できるという利点があります。
耐酸性皮膜を使用すれば、腸溶性を付加できますし、粘性の高い物質を噴霧せればゆっくり溶け出す製品を開発することができます。

サプリメントでは、森下仁丹の技術であるシームレスカプセルが有名です。
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(画像引用元:森下仁丹:シームレスカプセル応用例
皮膜を調整することで、口腔内崩壊〜腸溶性を付加することができます。

②口腔内崩壊錠(OD錠)

口腔内崩壊錠は、水なしで服用できる錠剤で、口に含むと溶けます。
口腔内で30秒以内に溶け崩れるのが特徴です。
技術的に難しい点も多く、サプリメントだとほとんど見かけません。

エリスリトール顆粒と結晶セルロース、崩壊剤などのすぐに溶ける物質を組み合わせて作ることができます。
例えば、ダイセルから速崩壊性賦形剤「SWELWiCK(スウェルウィック)」という原料が最近発売されました。
これから多くの商品が上梓されるかもしれません。

③分散性・添加剤による崩壊性向上

崩壊時間を短縮することで、体内の吸収率upを訴求することができるので多くのサプリメントに利用されています。
錠剤であれば、崩壊剤を添加する。カプセルであれば分散性を向上するなどが挙げられます。

例えば、DHCから発売されている速攻ブルーベリーという商品は分散性向上による崩壊時間の短縮を行った商品です。
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消化管のターゲティング

①胃ターゲティング

HPCやHPMCなどが水には溶けにくいが、胃酸性化で溶けやすいという特徴から胃溶性コーティング剤として使用されることがあるがほとんどサプリメントでは見かけません。

②腸ターゲティング

サプリメントでは、腸ターゲティングとした商品が数多く重視されている。
原理としては、胃のpHでは溶解せずに腸のpH5~8で溶解するコーティング剤を使用する。
また、大腸内にある腸内最近の代謝を利用したガラクトマンナン・キトサン・アミラースなどの酵素分解を受ける天然高分子を使用した腸溶性カプセルなども発売されています。

一例を挙げると、中日本カプセルのIS-Capsule(アイエスカプセル)は非常に面白い技術です。
膜にペクチンを配合することで、胃液(pH1.2)ではペクチンがゲル化し溶出を遅くし、腸液(pH約7)ではペクチンが溶解するpH応答性を持たせています。
(参考:IS-Capsule(アイエスカプセル))

-ソフトカプセル, タブレット・打錠, ハードカプセル