健康食品の分類と特徴:機能性食品を中心に

健康食品の分類と特徴:機能性食品を中心に

いわゆる健康食品(栄養補助食品)

下記3つに分類されない、全ての健康食品です。
市販されている健康食品の多くはこれです。

○○に効きます! と宣伝すると、薬事法に引っかかるので イメージの良い言葉を選んでマーケティングする必要があります。
食物繊維配合製品だと、「どっさり」「すっきり」とか擬音語を使って消費者に連想させます

特定保健用食品(トクホ)

トクホ
トクホは、科学的試験(臨床試験など)に基づいて有用性が 厚生労働省に許可された製品です。
臨床試験とかしないといけないので、コストがかかるということで、機能性食品に取って変わられていくでしょう。

個別に審査を受けている「特定保健用食品(個別許可型)」と、許可数の多い保険機能について、基準を満たした「特定保健用食品(規格基準型)」があります。
安全性・有効性において 高い基準が求められているため、嗜好性の高いものは少なく シンプルな設計思想なものが多いです。
食物繊維繊維配合製品だと、「整腸作用があります」と宣伝できます。

栄養機能食品

栄養補助食品は、不足しがちな影響補給を目的とした製品です。
規格基準さえ満たしておれば、栄養補助食品として販売できます。

認められている栄養素は、ビタミンA,B1,B2,B6,B12,C,D,E,ナイアシン,パントテン酸,葉酸,ビオチンとミネラル類(Fe,Ca,Mg,Cu,Zn)です。
配合できる栄養素は、規格内でいけないため たくさん入れることができません。
そのため、ビタミン補給を目的としたサプリメントでも栄養補助食品にしない事もよくあります。

ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です と宣伝できます。

機能性表示食品

機能性表示食品とは科学的根拠に基づいた機能性が、事業者の責任において表示される食品です。
2015年4月から始まった新しい制度です。
消費者庁長官へ届け出を行うことで、機能性を行う事ができます。

トクホとの違いは、製品で臨床試験をしていなくても、有効成分さえ製品に配合すれば良いだけなのがメリットです。

例えば、食物繊維7gを有効成分とした製品を仮定しましょう。

▶︎トクホ製品の開発の場合
①食物繊維の有効性・安全性を評価(研究レビュー、臨床試験)
②製品形態での有効性・安定性を評価(臨床試験)
③厚生労働省の審査・許可

と非常に期間が長くかかります(2〜3年くらいと言われています)

▶︎機能性食品
①食物繊維の有効性・安全性を評価(研究レビューでも可能!)
②消費者庁の審査・許可

となっています。
製品形態での確認が不要、機能性成分の臨床試験も不要になっているので開発期間が短いです(3〜6ヶ月程度と言われています。)

機能性食品は始まったばかりの制度なので、私もわからない部分が多いものの、有効性のある健康食品が増える事は消費者にとってメリットだと感じています。

サプリメント原料の分類方法まとめ

サプリメント原料の分類方法まとめ

健康食品を設計する際、様々な原料を使いますね。
原材料をいろんな視点で分類してみましょう。

食品と食品添加物

原材料表示を決定する時は、食品と食品添加物 といった目線で見ることが必要です。
食品業界に勤める上で、原材料表示を見て、「食品」と「食品添加物」の区別化がつかないのは致命的です。

用途で分類

配合している素材の目的で、分類することは技術者として非常に大切です。

カロリミットの原材料表示を例としてみてみましょう。

▶︎原材料
緑茶エキス・桑の葉エキス:機能性素材

セルロース:結合剤

環状オリゴ糖:マスキング素材

シェラック:コーティング剤

ステアリン酸カルシウム:滑沢剤

というように、どういった用途で配合するを見ることが大切です。
これは、技術者的な目線になります。

原料の由来で分類

使用されている、原料が何からできているかという目線です。
キトサンならば、カニ由来といった見方や海産物由来といった見方になります。

例えば、植物由来の原料を使用しています! と書けば消費者のイメージが良くなりやすいです。

主な分類方法はこんな感じ。
植物由来、動物由来、鉱物由来、化学合成由来  等

産地の由来で分類

原料の産地で分類することも、健康食品では多いです。

国産原料使用!
宇治抹茶使用!

など、産地を商品のアピールポイントにすることも多いです。
産地で分類する時は、「加工地」と「産地」を意識すべきです。
カロリミットでは、「キトサン(かに由来) 由来:かに(韓国、日本) / 加工地:日本」という書き方をしています。

錠剤設計初心者は配合素材の目的を知ることから始めよう

錠剤設計のための基本となる知識

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錠剤(タブレットタイプ)の案件を初めて担当した人は、錠剤に配合する原料がどういった用途で配合しているかを理解することが大切です。
錠剤に配合する原料の目的を知ることで、硬度が出ない・原料の苦味をマスキングする といった問題の対処がしやすくなるのです。
例えば、生薬エキスをたくさん配合したタブレットはとても渋いですが、コーティング剤を追加(表面をコーティング)すれば渋さを感じなくなります。

錠剤を作るには、上記①〜⑦の原料の組み合わせで作られます。
各要素を意識して設計することで、錠剤設計の基本を学びましょう。

①機能性素材・有効成分は、錠剤のコンセプト!

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錠剤のメリットは、1粒あたりで有効量を管理しやすい点です。
タブレットを設計する際、一番最初に考えるのは有効成分をどんな素材を配合するか? どれくらいの量を入れるかが大切です。

そのため、1粒あたりの有効成分の量は100mgなど キリの良い数字が好まれます。
配合量を増やすことで少ない錠剤の数を飲めばよくなるので、消費者のメリットにもつながります。

しかし、錠剤の製造性に悪影響を与えるような機能性成分の配合量が多くなればなるほど、タブレットを成形する素材が減りますので難易度が上がるうえ、エキス類を配合すると吸湿で錠剤に斑点が発生したり といった品質の劣化に招く要因にもなります。
量産化の難易度と、消費者のベネフィットを天秤にかけながら、常に処方設計しましょう。

②賦形剤は、カサ増し+結着力を高めてくれます

砂糖
賦形剤はいわゆる増量剤みたいなもので、その他の成分を増減するときに削ったり増やしたりします。
成形性が高いこと、安価であることが条件に選ぶことが多いです。

賦形剤は、生理活性のない「麦芽糖」「マルチトール」「還元麦芽糖」などの糖類が使用されることが多いです。
その他にも、「澱粉」なども使用されます。

③結合剤は、錠剤を固めます

キャッピング
(図は、キャッピングの様子)
結合剤は、粉同士の決着力を上昇させたり硬度を高めてくれる素材です。
原料としては、セルロース(植物の細胞壁の主成分)を使用するのが一般的です。
植物の茎がぴんと張ってのは、セルロースのおかげと言えます。
錠剤も結合剤がなければ脆くボロボロと崩れてしまうのですが、結合剤を配合することでカッチリと固めてくれます。

結合剤が不足しているとキャッピング(錠剤が帽子状に剥離する現象)やラミネーティング(錠剤が層状に剥離する現象)といった不自然な錠剤の割れ方がみられます。

④滑沢剤は、錠剤表面に付着して摩擦を減らす効果

滑沢剤_原理
滑沢剤とは、錠剤表面に付着することで 摩擦を減らす効果があります。
滑沢剤の作用=油のツルツル テカテカのイメージが良いと思っています。
床に油が溢れていたら、摩擦がほとんどないので転けてしまいますね。
滑沢剤(成分は脂肪酸などの油)も、粉体にくっついて ツルツル の物質に変化させます。

もう少し専門用語を使うと、粉体同士の摩擦を減らすため、粉の動きをなめらかにし臼穴に均一に粉が供給されやすくなる(流動性改善)ことを改善したり、錠剤が圧縮される際 粉体と杵との摩擦が減ることで 杵と錠剤との付着を防ぐ(スティッキングの防止)作用があります。
臼穴に粉が均一に供給されず 重量がばらつくといった流動性に紐づくトラブルは試作スケールでの検討では 問題なることが少なく、工場での大きなスケールで 長時間生産を行うことで問題が発覚することが多い現象です。

試作スケールで滑沢剤が必要なさそうな錠剤でも、滑沢剤を添加しておくことはトラブルへの保険として大切です。
原料としては、ステアリン酸カルシウム、硬化油などの脂肪酸を使用します。

⑤粉体同士の摩擦を減らし、流動性を高める素材

臼
(画像引用元:NANNO:商品カタログより
流動性を高める素材には、二酸化珪素、微結晶セルロースがあります。
流動性を高める=粉同士の摩擦を減らしてくれるということです。
二酸化珪素(成分はシリカ)が流動性を改善してくれるイメージは以下の感じです
流動性改善_二酸化珪素
他の原料に付着し、接触面積が減るので摩擦が減ります。

微結晶セルロースが流動性を高めてくれる理由は、丸い形があります。
微結晶セルロースは、粉末セルロースよりも 丸型であり体積も大きいです。
他の素材と比較し、接触面積が小さく 粉体同士の摩擦が減ります。

臼穴への粉末の流れを良くすることで、錠剤の重量ブレが減り均一の品質の錠剤設計が可能です。

⑥崩壊剤とは、錠剤を水で膨潤しやすくします

崩壊剤
(画像引用元:スーパー崩壊剤の品質の特徴
崩壊剤は水を吸うと膨らみ、錠剤を壊れやすくするために配合します
基本的な打錠ではまず使用しません。
OD錠(口の中で溶ける錠剤)などを設計する際に配合します。
原料としては、でんぷん、アラビアガム糊などが使用されます。

OD錠をもっと知りたい人は、覚えておきたい! 有名な錠剤の形と特徴もどうぞ。

⑦コーティング剤は、錠剤表面を皮膜する!

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(画像引用:株式会社パウレック:コーティングとは
コーティングのメリットには、苦味を抑えたり、吸湿を抑える、腸溶性を付加する機能付加があります。

コーティング原料としては、HPMC,セラック,糖衣コートなどが健康食品では使用します。
コストがかかるため、検討は①〜⑥が終わってからが多いです。