フレーバーの形態:粉末・水溶性・乳化・油溶性

フレーバーの形態:粉末・水溶性・乳化・油溶性

加工食品の味が年々美味しくなるのは、香料の進化のおかげといっても過言ではありません。
なぜなら、あらゆる食品に香料が使用されているからです。

フレーバーの形態と用途と特徴を簡単に整理します。
製品の剤型と相性の良いフレーバーを把握しておくことで、味作りがスムーズにいくものです。

粉末香料

スープ
粉末香料の多くは、デキストリンなどをスプレードライすることで香料成分を吸着させます。
粉末タイプのメリットは、安定性に優れるため、様々な食品に使用できます。
計量も用意で、倍散しやすいため品質のブレが少ない工業品の生産が可能です。
チューングガムのベースに混ぜ込み味付けに配合したり、粉末タイプのスープに添加したりします。

取り扱いの注意点は
①熱に弱い(香気成分の揮発)
②水溶性のものと比較し、力価が弱い
③水へ難溶性の粉末香料もある
の3点です。
スケールアップを行う際は、加熱工程がある場合は香料の劣化に注意を払う必要があります。

水溶性香料

iceassort
香料ベースをアルコールと水で溶解、抽出した香料です。
香料の成分がそのまま残存しているため、香料の力価がもっとも強く マンゴーやピーチといった果物はフレッシュに感じることができる。
一方、デメリットもあり揮発性が高いので高温の処理をする場合 香りが飛んでしまいます。
主な用途は、加熱工程のない アイスクリーム・ドリンクなどに使用されることが多いです。

乳化香料

time to toast
time to toast

香料ベースを乳化剤を使って、水に溶けるようにした香料です。
油溶性成分が超微粒子になっているので、液体中に綺麗に分散するのが特長です。
ドリンク・冷菓などに使用されます。
果汁飲料に、乳化香料が使う事が多いです。

油溶性香料

クッキー
香料ベースを植物油などに溶解したものです。
耐熱性があるので、クッキー・チューイングガムなどに利用されます。

シクロデキストリンで包括した香料

156606
香料の劣化防止、安定化、徐放化を付加するために香料にシクロデキストリンを加えます。
食品よりも、シャンプーや入浴剤などで使用される事が多いです。

カプセル香料

ミンティア
ゼラチン、アラビアガムなどで、香料ベースをマイクロカプセル化した香料です。
タバコ(潰して味が変わるタイプ)、こすると匂いのする絵本、口腔ケアサプリなどで使用されます。

参考
日本香料工業会:フレーバーの製品形態

特許庁:【技術分類】2-2-2 素材/香料の加工技術/粉末化・造粒

特許庁:素材/香料の加工技術/包接

香料の基本:匂いの化学物質

香料の基本:匂いの化学物質

バナナ香料、グレープフルーツ香料、果ては焼き鳥香料まで香料会社のラインナップは非常に広く、あらゆる加工食品に配合されています。

高田香料ホームページから製品開発のストーリーを一部抜粋しましょう。
あらゆる食品で、香料が使用されているのが見て取れます。

コンビニエンスストアに行くと、お弁当、インスタント食品、スナック菓子、ついつい注文してしまう、出来立てのフライドチキンやおでんなど・・・。これらの数多くの食品にシーズニングが使われています。
シーズニングは、塩や旨味などの基本調味料、香料、色素他、様々な素材からなっており、その組み合わせは無限大。創造性に富んだシーズニング開発者がこれらの組み合わせでシーズニングを作ると、炭火で焼いた様に感じる焼鳥風味や発泡感のあるサイダー味なども出来たりします。

それでは、匂いの分子を見ることで 使用する香料のイメージを高めましょう。

香料の分類

香料にはどんな種類があるのか?を理解するには、以下の分類が役にたちます。
あらゆる加工食品において、香料が使用されている事が理解できます。
加工食品は、香料が使用できるようになり飛躍的に進歩しました。
レモン味のゼリーを香料なしで作ろうと思うと、レモン果汁を煮詰めてつくる事になります。
そうなると、季節により味が変わったり 中期保存に向かないゼリーを作る事になります。

一方、香料が使用できる場合は、水に着色料・甘味料・極微量のレモンエキス(原材料表示のため)・香料を煮詰めるだけで作成できます。
工業的に作成する事で、ロット間のばらつきが無く・長期保存に向く製品を作成できるようになります。

シトラス系 オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなど柑橘類のフレーバー 清涼飲料、ドリンク剤、冷菓、スポーツ飲料、キャンディーなど
フルーツ系 アップル、バナナ、グレープ、ピーチなどシトラス系以外のフルーツのフレーバー 清涼飲料、ドリンク剤、ビスケット、冷菓、キャンディー、ジャムなど
ミルク系 ミルク、クリーム、バターなど乳製品のフレーバー 冷菓、ビスケット、マーガリンなど
嗜好飲料系 コーヒー、ココア、紅茶、ウーロン茶など嗜好飲料のフレーバー 缶コーヒー、ラクトコーヒー、缶入り紅茶、ウーロン茶など
バニラ系 バニラのフレーバー アイスクリーム、ビスケット、チョコレート、キャンディーなど
ミント系 ペパーミント、スペアミントなどハッカのフレーバー チューインガム、キャンディー、歯みがき、洋酒など
スパイス系 胡椒、シナモン、ジンジャー、ナツメグ、クローブなどスパイスのフレーバー ハム、ソーセージ、タバコ、コーラ、 ジンジャエール、キャンディーなど
ナッツ系 アーモンド、ピーナッツなどナッツ類のフレーバー ビスケット、チョコレート、キャンディーなど
畜肉、水産系 ビーフ、ポーク、チキンなど肉類、カニ、エビなど水産物のフレーバー ハンバーグ、カマボコ、インスタント食品、レトルト食品、ペットフードなど
調味系 スープ、ソース、醤油、松茸、椎茸などのフレーバー インスタント食品、レトルト食品など
酒類系 リキュール、カクテルなどのフレーバー 菓子類、清涼飲料、アイスクリームなど

具体的に、みじかな香りの分子をみていきましょう。

▶︎バナナ
酢酸アミル
nアセルアセテートは、バナナの香りとして利用されます。

▶︎レモン
リモネン
d-リモネンは、レモンの香りとして利用されます。

フルーツなどは数百種類もの成分が匂いに影響するため、10種類程度の成分からなる香料で本物にいかに近づけるかというのは非常に技術のいり、各社ノウハウがあります。
また、香料を強くすると単純に味がエンハンスするわけでなく、香りの質が変わる性質があるので味作りの難しさでもあります。

参考
日本香料工業会